ねぇパンダちゃん。
上司からね、支払調書がどうのこうのって言われたんだけど、
支払調書ってなあに?
支払調書と言うのは、 法定調書の一種だよ。
会社(事業者)が行った特定の支払いを税務署に報告する書類なんだ。
◆法定調書とは?
法定調書っていうのは、なんなの?
適正な課税のために、税務署が提出を義務付けている書類のことだよ。
全部で60種類以上あるんだ。
支払調書や源泉徴収票は、法定調書のひとつなんだよ。
◆支払調書は税務署に提出する
支払調書は、会社が税務署に提出する書類だってことかな?
そうだね。税務署への提出は義務だね。
所得税法第204条第1項の各号に規定されている報酬や料金など、
税理士、弁護士、司法書士等へ報酬料金等を支払った場合には、
支払調書を発行して税務署へ提出しなくちゃならないよ。
絶対に提出しなくちゃならないの?
一定の金額基準があって、それを満たしていない報酬の支払については
税務署へ提出しなくても大丈夫だよ。
◆どういう場合に、支払調書を発行するの?
どういう場合に、支払調書を発行する必要があるの?
さっきも言ったけれど、
所得税法第204条第1項の各号に規定されている報酬や料金など、
税理士、弁護士、司法書士や、個人事業主へ報酬料金等を支払った場合だね。
⇒国税庁
個人事業主ってフリーランスってことだよね。
報酬を受け取った個人事業主に対しては、支払調書を渡さなくていいの?
報酬を支払った会社が、支払調書を税務署へ提出するのは義務だけど、
相手方へ渡すことについては、義務ではないんだ。
そうなの?
でも、個人事業主にとって支払調書は、所得税の前払いを行ったことを
証明してくれる書類だから、会社に交付を求めたほうがいいね。
どういうこと?
◆個人事業主にとっての支払調書
個人事業主は企業から仕事をもらって、その対価として報酬を
得るよね。
個人事業主には年末調整がないから、そうして得た報酬にかかる所得税を
自分で計算して確定申告しなくちゃならない。
ふむふむ。
例えば、企業Aが個人事業主のうさちゃんに、報酬として100万円支払うと
するよね。
100万円のうち、10万円が源泉徴収税額だとしよう。
100万円の報酬から、10万円源泉徴収されて、90万円が
うさに渡されるんだね。
そう。それにあわせて、報酬100万円に対して源泉所得税として
10万円払いましたよという支払調書が渡されたとしよう。
個人事業主が、報酬を支払ってくれる会社から、支払調書をもらうんだね。
その年が終わって、翌年3月にうさちゃんは確定申告をするね。
計算の結果、うさちゃんの支払う所得税が60万円だったとしよう。
ここで支払調書が登場する。
どうなるの?
支払調書は、源泉徴収として所得税を差し引いていることを証明
してくれるんだ。
さっき、源泉所得税として10万円先に支払っているよね?
そうか。だから、確定申告のときに支払う所得税60万円から、
すでに支払っている10万円を差し引いて、実際に払う所得税は
50万円になるんだね。
そう。個人事業主にとって支払調書は、所得税を前払いしていることを
証明してくれる大切な書類なんだ。
じゃあ、個人事業主が確定申告するときは、支払調書も合わせて提出
しなくちゃいけないんだね?
いや、それは必要ないよ。
支払調書がないと確定申告ができないというわけではないんだ。
ややこしいなあ。