ponkao
今回は、基礎控除申告書兼配偶者控除等申告書兼所得金額調整控除申告書の
基礎控除申告書の部分の書き方を見ていこう。

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⇒国税庁HP:[手続名]給与所得者の基礎控除申告書の申告からダウンロードできます。

ponkao
記入例は、令和3年の年末調整の手引き「年末調整のしかた」の
98ページ
にも詳しく載っているから参考にしてね。

640

okutankao

「あなたの本年中の合計所得金額の見積額の計算」の欄が上段で、
それを元に下段で基礎控除額を計算する作りになっているのね。

ponkao
そうだね。「あなた」とは、この申告書を提出する人、
この例の場合は佐藤一郎のことを指しているよ。

okutankao

まず①だけど、「給与所得」の「収入金額」を書くんだね。
これは、社会保険料とか所得税額とかを差し引いた金額を書くの?

ponkao
いや、差し引き前の金額を書いてね。
②は、①における「所得金額」を記入するよ。

okutankao

なんじゃそれ。


ponkao
①の「収入金額」を使って、申告書の裏面(PDF版は2ページ目)の
「4合計所得金額の記載についてのご注意」に沿って
「所得金額」を計算するんだ。
910


642

okutankao

うわー計算するのか。
計算苦手だなあ・・・

ponkao
そんなに難しくないよ。
まず①の金額を、表のⓐ列に当てはめる。

okutankao

①5,000,000円だから列「3,600,000円以上 6,599,999円以下 」
該当するね。計算式は・・・

okutankao

①:(ⓐ)÷4(千円未満切捨て)=(ⓑ) ⇒ ②:(ⓑ)×3.2-440,000円=所得金額
って書いてあるけど・・・?どうすんのこれ?

ponkao
まず①:(ⓐ)÷4(千円未満切捨て)=(ⓑ) を計算するよ。
5,000,000円÷4=1,250,000円になるね。
この金額をⓑとする。

okutankao

端数がある場合は、千円未満を切り捨てるんだね。


ponkao
今度は②:(ⓑ)×3.2-440,000円=所得金額を計算する。
ⓑは1,250,000円だから、1,250,000円×3.2-440,000円=3,560,000円
これが「所得金額」だ。

okutankao

ふむふむ、なるほど。


ponkao
ちなみにこの計算表は、令和3年の年末調整の手引き「年末調整のしかた」の
98ページ
にも載っているから参考にしてね。

ponkao
ここで注意事項でーす。


okutankao

えっいきなり何?


ponkao
所得金額調整控除を受けることができる場合は、この②の金額から
所得金額調整控除額を差し引いた金額を、②に記入する
んだ。

okutankao

ちょっと待って。何?ナニ?
所得金額調整控除って、この用紙の下部に記入する奴だよね。

912
ponkao
そう。申告書用紙裏に「所得金額調整控除や特定支出控除の適用がある場合は、
求めた給与所得の金額からそれらの控除額を控除してください」って
書かれているでしょ。

765

okutankao

えっと、どうすんの。


ponkao
まず、所得金額調整控除が受けられるかどうかには条件があるから、
自分が条件を満たしているかどうかを確認する。
⇒所得金額調整控除とは?

okutankao

ええっと、給与の収入金額が850万円以上で、且つ、特別障害者の有無や
23歳未満の扶養親族がいるかどうかなどが、条件だったね。

ponkao
そうそう。所得金額調整控除を受けられる場合は、自分がいくら
控除されるかを計算する。

okutankao

ど、どうやって?


ponkao
給与の収入金額、つまり①欄の金額-850万円に、10%をかけた金額が
控除額になるよ。

ponkao
給与の収入金額(①欄)が 1,000万円を超える場合は、
(1,000万円-850万円)×10%になる。
控除額の最大金額は15万円だ。

ponkao
計算式については、この申告書の裏面【所得金額調整控除の額の計算方法】
にも記載されているし、所得金額調整控除とは?でも紹介しているから、
参考にしてね。
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ponkao
具体的に見てみようか。
所得金額調整控除が受けられる、収入金額①欄が850万円以上の場合の
例を作ってみたよ。

766

okutankao

まず①の収入金額から所得金額調整控除を計算するよね。
①が1000万円を超えているから、控除額は15万円だね。

ponkao
続いて①の収入金額から、②の所得金額を計算する。
9,650,000円になるね。
ここから、所得金額調整控除額15万円を差し引いた金額を、②に記入する。

okutankao

所得金額調整控除を受けられるかどうか、所得金額調整控除額が
いくらになるのかを、自分で考えて計算して書かないといけないのか・・・

ponkao
ちょっとややこしいし、わかりにくいよね・・・


okutankao

うんざりするわ。


ponkao
それじゃあ、③の書き方を見ていこう。
最初の例の図に沿ってやっていこうか。

640

okutankao

ええっと、(2)給与所得以外の所得の合計額の「所得金額」を
書くっぽいけど。

ponkao
そのとおりだよ。給与所得以外にも所得がある場合に、
その合計額を記入するよ。
ない場合は0円で問題ない。

okutankao

③に含まれるのは、事業所得や雑所得、配当所得、不動産所得、
退職所得などだね。

ponkao
③に該当する物の詳細は、令和3年の年末調整の手引き「年末調整のしかた」の
87~88ページ
にも詳しく載っているから参考にしてね。

ponkao
③には、源泉分離課税によって源泉徴収だけで納税が完結するものや、
確定申告をしないことを選択した一定の所得は含まれないよ。
詳しくは国税庁 給与所得以外の所得の種類等を見てね。

okutankao

③を書いたらどうするの?


ponkao
②と③の合計金額が④になるよね。
これを「控除額の計算」表に当てはめる。

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okutankao

④900万円以下だから、一番上の段の(A)が該当するんだね。
それを、「区分Ⅰ」欄に書くんだね。

ponkao
(A)~(C)および④が1,000万円超2,400万円以下だった場合は、
基礎控除の額⑤は48万円となるよ。

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okutankao

④が1,000万円超2,400万円以下 以降は、AとかBとかの
アルファベットがないよね。「区分Ⅰ」欄にはなんて書けばいいの?

ponkao
空欄で大丈夫だよ。
「基礎控除の額」欄だけ書いてね。

okutankao

④が2,450万円超2,500万円以下の場合、基礎控除額16万円だよね。
④が2,500万円超だったら、どうなるの?

ponkao
基礎控除は受けられない。0円になるよ。


okutankao

そうか。基礎控除は2,500万円越えたら受けられないんだっけ。
⇒基礎控除とは?(2020年~)