うちの会社の社員Tさんから質問されたんだけれど・・・
年末調整で扶養を外れる家族がいるらしいんだよ。
年末調整で扶養を外れる家族は、健康保険の扶養も外れてしまうん
ですか?って聞かれたんだ。
年末調整の扶養と、健康保険の扶養は、関係ないよ。
関係ないの?
扶養には2種類あるんだよ。
所得税における扶養と、社会保険における扶養だね。
年末調整は、所得税額を計算するものだったね。
そうそう。家族が所得税の「扶養」に入ると控除を受けられる、
つまり、支払う所得税額を減らすことができるというものだ。
年末調整の扶養は、健康保険の扶養とは別物だ。
年末調整で所得税の扶養を外れても、健康保険の扶養を外れるとは
限らないよ。
2つの扶養の違いがよくわからないんだけれど・・・
◆所得税の扶養
所得税の扶養に入ると、所得税額を減らす「控除」を受ける
ことができるようになる。
配偶者が受けられる控除が配偶者控除、配偶者特別控除で、
その他の家族が受けられる控除が、扶養控除扶養だったね。
扶養控除の対象になるのは、6親等内の血族と3親等内の姻族までだ。
親等図を見てみると、かなり広い範囲が含まれることがわかるよ。
それから扶養の対称になるのは、その年の12月31日時点で16歳以上の
親族だけだったね。
16歳未満は扶養控除を受けられないんだよね。
そうそう。そして、生計を一にしている必要がある。
ようするに家計(お財布)が一緒ということだね。
必ずしも同居は必要ない。
あとは、配偶者や親族のその年1年間の所得金額に制限があるんだよね。
たくさん所得がある人は、扶養に入ることはできないんだ。
配偶者控除の場合は、配偶者の所得年間の合計所得金額が38万円以下
(給与のみの場合は給与収入が103万円以下)である必要がある。
⇒控除対象配偶者(配偶者控除)とは? (H30~)配偶者特別控除の場合は、配偶者の所得金額によって、段階的に
控除額が変わるんだったね。
⇒配偶者特別控除とは? (H30~)
扶養控除の年間所得条件は38万円以下だ。
給与所得の場合は103万円以下である必要があるということだね。
◆社会保険の扶養
健康保険みたいな社会保険の扶養は、所得税の扶養に入るのとは
条件が違うの?
そうだね。対象となる範囲は、配偶者と3親等内の親族までだ。
ただし、所得税の扶養と違って、法律的には家族ではない内縁関係の配偶者や
連れ子なんかも、扶養の対象にできるよ。
所得税では、内縁関係のような法律上の家族ではない人は扶養に
入れないんだったね。
⇒内縁関係でも、年末調整で配偶者控除・扶養控除を受けられるの?
所得税と違って、年齢制限もある。
75歳以上になると後期高齢者医療制度に移行するから、
扶養から外れる必要があるよ。
75歳以上の後期高齢者は扶養からはずれる?で勉強したね。
また、所得税と違って同居していないといけない条件がある。
配偶者や子、弟妹、父母、祖父母については同居は必要ないんだけれど、
その他の3親等内の親族については同居していないと扶養に入れない。
ふむふむ。所得税の扶養とずいぶん違うね。
そして社会保険の扶養に入るには、年間収入が130万円未満である
必要がある。
60歳以上の被扶養者や、被扶養者が障害者である場合は
年間収入180万円未満である必要があるよ。
こうやって比較してみると、違いが明確になるね。
「扶養」と聞くと、所得税と社会保険をどうしても混同して
しまいがちだよね。
また、所得税と違って同居していないといけない条件がある。
配偶者や子、弟妹、父母、祖父母については同居は必要ないんだけれど、
その他の3親等内の親族については同居していないと扶養に入れない。
ふむふむ。所得税の扶養とずいぶん違うね。
そして社会保険の扶養に入るには、年間収入が130万円未満である
必要がある。
60歳以上の被扶養者や、被扶養者が障害者である場合は
年間収入180万円未満である必要があるよ。
こうやって比較してみると、違いが明確になるね。
「扶養」と聞くと、所得税と社会保険をどうしても混同して
しまいがちだよね。