年末調整の書き方

年末調整の書き方をまとめました。 うさぎ、ぱんだと年末調整を学ぶブログ。

カテゴリ:年末調整の書き方 > └H29配偶者特別控除申告書の書き方



ponkao
配偶者特別控除申告書の「配偶者の合計所得金額(見積額)」の
表の書き方も、いよいよ最後だよ!
今回は、⑦行目「①~⑥以外の所得⑦」だ。

00198

okutankao

①~⑥以外の所得って、どんなものがあるの?


ponkao土地や建物、機械、ゴルフ会員権、金地金、書画、骨とうなどの資産の譲渡に
よって得た所得である譲渡所得や、山林(所有期間5年超)の伐採又は譲渡に
よる所得である山林所得、それから、一時所得なんかも含まれる。
これは、賞金や懸賞当せん金、競馬・競輪の払戻金、生命保険契約等に基づく一時
    金や、損害保険契約等に基づく満期返戻金、遺失物拾得の報労金などによる所得を
    いうよ。

okutankao

うわ。何かいろんな種類があるんだ。


ponkao
まだあるよ。
総合課税の対象となる利子所得も、①~⑥以外の所得だ。


okutankao
なんだそりゃ。
総合課税・・・?


ponkao総合課税制度とは、各種の所得金額を合計して、総所得金額を求めて、
その総所得金額について税額を計算して、税金を納めるという制度のことなんだ。
総合課税制度の対象となる所得は何種類かあるんだけど、そのうちの一つである、
利子所得は、①~⑥以外の所得に含めてねということだね。

okutankao
利子所得っていうのは、銀行に預金していると利子がつく、とかいう、
あれだよね?


ponkaoそうだね。
うさちゃんの言う預貯金や、公社債の利子、それから合同運用信託、
公社債投資信託、公募公社債等運用投資信託の収益の分配に関する所得なんかが
利子所得の具体例だよ。 

okutankao

ふむふむ。


ponkao
それから、申告分離課税を選択した上場株式等に係る配当所得等
①~⑥以外の所得だ。


okutankao

ナニヲイッテイルノカ、ワカリマセン。


ponkao
はいはい。つまりね。
所得税っていうのは、さっき説明した総合課税制度が原則なんだ。


okutankao

ええっと、対象となるいろんな種類の所得金額を合計して、総所得金額を出して、
その総所得金額について、税額を計算して、税金を納めるんだよね。


ponkaoそうそう。
でも一定の所得については、他の所得金額と合計しないで分離して税額を
計算して、その税額を納めるんだ。
これが申告分離課税制度だよ。

okutankao

なるほど。


ponkao
だからつまりね、申告分離課税を選択した上場株式等に係る配当所得等と
いうのは、上場株式などによって得た配当所得等で、申告分離課税制度で
税金を払うことを選んだものということだよ。

okutankao

税の制度を選べるの?


ponkao
上場株式等の配当等(一定の大口株主等が受けるものを除く)については、
総合課税に代えて、申告分離課税を選択することができるんだ。


okutankao

むむむ~。ややこしいなあ。


ponkao
それから、申告分離課税の適用を受けた一般株式等に係る譲渡所得等
または上場株式等に係る譲渡所得等
も①~⑥以外の所得に含まれる。


okutankao

申告分離課税制で税金を支払うことが適用された、一般株式・上場株式等の
譲渡所得、ということだね。
 
ponkao
そうそう。分かってきたじゃない。
それから、先物取引に係る雑所得等も、①~⑥以外の所得だよ。

00067

okutankao

①~⑥以外の所得も、「収入金額等(a)」☆欄に本年中の合計所得見積もり金額を
記入するんだよね。

ponkao
そうそう。
「必要経費等(b)」★欄に、これらの所得を得るのにかかった必要経費を記入する。


okutankao
あれ?ちょっと待って。
「必要経費等(b)」★欄に「うち特別控除額」って書いてあるんだけど、
これは何?

ponkao
①~⑥以外の所得に含まれる山林所得や譲渡所得では、
特別控除と呼ばれる控除を受けることができるものがあるんだ。


okutankao
そうなんだ。
じゃあ、必要経費以外に特別控除を受けている場合は、
★欄に必要経費+特別控除額を書いて、
「うち特別控除額」の部分に特別控除額を書けばいいんだね。

ponkao

あとは、「所得金額(a)-(b)」◆欄を記入する。


okutankao
うぉっと、またまた待った!
また何か書いてある!
「一時所得又は長期譲渡所得は1/2」だって!

ponkao
一時所得はさっきやったよね。賞金や競馬などの払い戻し金などの所得だ。
長期譲渡所得は、土地建物の譲渡所得で、譲渡した年の1月1日現在で
所有期間が5年を超えるものをいうんだよ。
    一時所得、または長期譲渡所得は、その所得金額の1/2に相当する金額を算出する。
    算出したその金額を、給与所得などの他の所得の金額と合計して総所得金額を
    求めて、税額を計算するものなんだ。

okutankao

うーんと、つまり・・・一時所得か長期譲渡所得の場合は、
(a)-(b)を1/2にした金額を「所得金額(a)-(b)」◆欄に書けばいい
ってことかな。

ponkao
そうだね。
「所得金額(a)-(b)」の合計金額を◎欄に(A)として書いて、
これを下の配偶者特別控除の早見表に当てはめて、配偶者特別控除額(●欄)を
    記入する。

okutankao

これで、配偶者特別控除はばっちりだね!



ponkao
引き続き配偶者特別控除申告書の「配偶者の合計所得金額(見積額)」の
表の書き方を見ていこう。
今回は、⑥行目「退職所得⑥」だね。

00198

okutankao
退職所得ってなに?
退職金のことかな?


ponkaoよくわかったね。その通りだよ。
うさちゃんが言う勤務先を退職する時に受ける退職手当などや、
社会保険制度などにより退職によって支給される一時金、
適格退職年金契約に基づいて生命保険会社、または信託会社から受ける
    退職一時金なども退職所得とみなされるよ。

okutankao

適格退職年金契約ってなに?


ponkao適格退職年金契約っていうのは、平成14年3月31日までに締結された、
使用人に対する退職年金の支給を目的とした信託、生命保険、または
生命共済の契約のことだよ。
一定の要件を備えているとして国税庁長官の承認を受けた契約をいうんだ。
    平成14年3月31日で廃止されてしまったんだけど、平成14年3月31日までに
    締結した適格退職年金契約は、平成24年3月31日まで経過的に存続すること
    とされているよ。
    さらに平成24年4月1日以後もその契約が継続している時は、一定の事実が
    生じている場合に限り、存続することになっている。 ⇒国税庁HP

okutankao

そうなんだ。


ponkaoそれから、解雇予告手当(労働基準法第20条)や、
退職した労働者が弁済を受ける未払賃金(賃金の支払の確保等に関する
法律第7条)も退職所得に含まれるんだ。
 

okutankao

単純に退職金だけじゃないんだね。


00066

ponkao
退職所得も、「収入金額等(a)」☆欄に本年中の合計所得見積もり金額を
記入するよ。
退職金を2000万円もらったら、「収入金額等(a)」☆欄は2000万だ。


okutankao
2000万円・・・イイナアー。
あ、あれ?「必要経費等(b)」★欄は、どうなるの?


ponkao 
退職所得には、退職所得控除が受けられる。
 「必要経費等(b)」★欄には、退職所得控除額を記入するよ。


okutankao
ああ、本当だ。
 「必要経費等(b)」★欄に、「退職所得控除額」って書いてあるね。
 退職所得控除額は、いくらになるのかな?

ponkao
ちゃんと計算式が決まっているんだよ。



 勤続年数が20年以下
 40万円×勤続年数(最低80万円)
 ※80万円に満たない場合には、80万円
 

 勤続年数が20年以上
 70万円×(勤続年数-20年)+800万円 
 

okutankao
勤続年数が10年3か月、とかって半端な月数がある時は、
どうするの?


ponkao
1年未満が生じた場合には、切り上げるんだ。
10年3カ月なら、勤続年数11年で計算するよ。
それから、日数は30日をもって一か月とすると決められている。
    さらに、障害者になったことを理由に退職した場合には、100万円加算されるよ。

okutankao

え~っと、つまり・・・


ponkao
勤続年数が15年だったら、40万円×15年=600万だし、
勤続年数が30年だったら、70万円×(30年-20年)+800万円=1500万円だ。


okutankao

すごい高額を控除してくれるんだね!


ponkao
退職所得は、退職後の生活保障のためのお金だと考えられているんだ。
税金がたくさん取られちゃったら、老後の生活に苦しむ人が増えるかもしれない。
だから退職所得は、税金の負担がとても安くなっているんだ。

okutankao
あとは、「所得金額(a)-(b)」◆欄を記入して・・・
あれれ?この欄にも何か注釈があるね。
((a)-(b))×1/2 または((a)-(b))???

ponkao
今、説明したとおり、退職所得は税金の負担が安くなっている。
(収入金額-退職所得控除額)×1/2
が、退職所得の金額になるんだ。

okutankao
ええっと、実際に貰った退職金から、退職所得控除額を差し引いた金額の、
さらに半分が、◆欄に記入する最終的な退職所得になるってこと?


ponkaoそう。退職金が2000万円の時、勤続年数が15年だったら、
2000万円-(退職所得控除 40万円×15年)×1/2=700万円が退職所得額に
なる。
勤続年数が30年だったら、
    2000万円-(退職所得控除 70万円×(30年-20年)+800万円)×1/2=
    250万円だ。

okutankao
なるほど!
だけど、または((a)-(b))って書いてあるよ?


ponkao

勤続年数が5年以下の法人役員は、2分の1を掛けないんだ。


okutankao
そうか。 勤続年数が5年以下の法人役員が、退職金が2000万円の時、
勤続年数が15年だったら、
2000万円-(退職所得控除 40万円×15年)=1,400万円が退職所得に、
勤続年数が30年だったら、
    2000万円-(退職所得控除 70万円×(30年-20年)+800万円)=500万円が
    退職所得になるんだね。

ponkao 
じゃあもしも、実際に貰った退職金の金額と、退職所得控除の金額が
逆転していたらどうなると思う?


okutankao 

逆転?


ponkao

支給された退職金が100万円で、退職所得控除額が150万円だった時みたいに、
収入よりも控除額が大きかった場合だよ。


okutankao
えっ・・・ええっと、その場合、「所得金額(a)-(b)」◆欄は・・・
ゼロ円になるのかなあ??


ponkao
そうだね。
課税退職所得金額はゼロ円(マイナスにはならない)になる。
退職手当から源泉徴収する所得税額や住民税額もゼロ円になるよ。
 
okutankao
むむむ。
なるほど。


ponkao
もしも、配偶者がもらった退職所得の金額がゼロ円になってしまったら、
配偶者特別控除を受けることはできないよ。


okutankao
ん?ああ、そうか、◎欄(A)がゼロ円になった場合、
配偶者特別控除の早見表にゼロ円をあてはめると、
控除額もゼロ円になっちゃうもんね。

ponkao
そうそう。
注意が必要だね。




ponkao
引き続き配偶者特別控除申告書の「配偶者の合計所得金額(見積額)」の
表の書き方を見ていこう。
今回は、⑤行目「不動産所得⑤」だね。

00198

okutankao
不動産って、土地とか家とか、簡単に場所を動かせないものだよね。
不動産所得っていうのは、お家を貸している時の家賃収入とかかな?


ponkao

不動産所得は、下記の物をいうよ。


(1) 土地や建物などの不動産の貸付け


(2) 地上権など不動産の上に存する権利の設定及び貸付け 


(3) 船舶や航空機の貸付け


okutankao
船や飛行機を貸した場合に入って来るお金も、不動産所得なんだね。
(2)の地上権っていうのはなんだろう?


ponkao
他人の土地を借りて、その上に建築物などを造る権利のことだよ。
不動産が持ちうる権利を設定・貸付けして得た所得も、不動産所得だよ
ということだね。

okutankao

なるほど。


ponkao
上記の(1)~(3)に該当する場合でも、
事業所得、または、譲渡所得に該当するものは、除くから気をつけてね。

00065

okutankao
書き方としてはこれまでと同じで、「収入金額等(a)」☆欄に
本年中の合計所得見積もり金額を記入するってことでいいのかな?


ponkaoそうだね。
不動産所得の収入には、貸付けによる賃貸料収入のほかにも、
名義書換料、承諾料、更新料、または頭金などの名目で受領するもの、
敷金や保証金などのうち、返還を要しないもの、
     共益費などの名目で受け取る電気代、水道代や掃除代なども含まれるよ。


okutankao 
「必要経費等(b)」★欄は、不動産所得を得るためにかかった経費を書くんだね。
具体的に、どういう経費があるの?



ponkao
経費としては、不動産収入を得るために直接必要な費用の中でも、
家事上の経費、つまり、生活費みたいに自分の生活に必要な経費などのこと
だけど、それらと明確に区別できるものである必要があるよ。
主にて貸付資産に関係する「固定資産税」や「損害保険料」、「減価償却費」、
    「修繕費」などだね。

okutankao
あとは、「所得金額(a)-(b)」◆欄を記入して、
「所得金額(a)-(b)」の合計金額を◎欄に(A)として書くんだよね。


ponkao
これを下の配偶者特別控除の早見表に当てはめて、
配偶者特別控除額(●欄)を記入するだけだ。


okutankao

完成、完成!
 



ponkao
引き続き配偶者特別控除申告書の「配偶者の合計所得金額(見積額)」の
表の書き方を見ていこう。
今回は、④行目「配当所得④」だね。

00198

okutankao

配当所得って、どんな所得なの?


ponkao
配当所得とは、法人から受ける利益の配当、剰余金の分配などの所得の
ことだよ。 


okutankao

具体的にどんなものが配当所得なの?


ponkao 
上場株式の配当、非上場株式の配当、剰余金の分配、
公社債投資信託や公募公社債等運用投資信託以外の投資信託の収益の分配
とかかな。

okutankao

投資をしている人は、当てはまりそうだね。


00064

ponkao
書き方は、「収入金額等(a)」☆欄に本年中の合計所得見積もり金額を記入する。
これまでと同じだね。


okutankao
配当や余剰金等として入ってきたお金は、
全額配当所得として書いちゃっていいのかな?


ponkao
配当所得のうち、次のものについては収入金額に含まないから注意してね。

①源泉分離課税とされる私募公社債等運用投資信託及び特定目的信託
 (社債的受益権に限る)の収益の分配
     ②確定申告をしないことを選択した、
      (a)上場株式等の配当等(特定株式投資信託の収益の分配を含む)
      (b)公募証券投資信託の収益の分配
        (特定株式投資信託及び公社債投資信託を除く)
      (c)特定投資法人の投資口の配当等
      (d)公募投資信託の収益の分配
       (証券投資信託、特定株式投資信託及び公募公社債等運用投資信託を除く)
      (e)公募特定受益証券発行信託の収益の分配
      (f)特定目的信託の社債的受益権の剰余金の配当
       (公募のものに限る)
      (g)これら以外の配当等で1銘柄について1回の金額が10万円に配当
        計算期間の月数(最高12か月)を乗じてこれを12で除して計算
        した金額以下の配当等

okutankao

・・・・・・・・ええっと。


ponkaoまず①から簡単に説明しようか。
証券会社や銀行で販売されている投資信託は、通常、多数の人を対象に資金を
集める公募投資信託なんだけど、これに対して少数(50人未満)の人たちを対象
にしたもの、適格機関投資家を対象としたものが私募投資信託というんだ。
    
okutankao
ええっとつまり、私募公社債等運用投資信託は、公募じゃなくて、且つ、
公社債などを運用する投資信託という意味だね。


ponkao
特定目的信託は、特定資産(不動産や金銭債権など)の流動化を行うことを
目的に、その資産の保有者が信託銀行に拠出して設立する信託だ。
「社債的受益権に限る」というのは、あらかじめ定められた金額の分配を
     受ける種類の受益権に限りますよということだ。
    
okutankao

受益権って何?


ponkao受益権は、投資信託の運用収益などの利益を受益者が受ける権利だよ。
これらの信託は、源泉分離課税、つまり、税金が源泉徴収されることで課税関係が
完了しする課税方法なんだ。


okutankao
源泉徴収された時点でもう税金に関する処理は完了しちゃってるから、
収入として申告しないんだね。
ふむふむ。

ponkao
②は、確定申告をしないことを選択した、各種配当金や
分配金は収入に含まないという説明だ。


okutankao

上場株式等の配当とか、公募証券投資信託の収益の分配とか・・・
色々あるね。

ponkao
これら(a)~(g)の中に、確定申告しないことを決めたものがあれば、
それらは収入金額に含まないよ。


okutankao
ふむふむ。
「必要経費等(b)」★欄は、配当所得を得るためにかかった経費を書けば
いいんだよね?

ponkao

そうだよ。


okutankao
配当所得の経費って・・・
どんなものがあるの?


ponkao
お金を借りて買った株式に配当があった場合に、その借入金の支払利子を、
収入金額から差し引くことができるよ。


okutankao
なるほど。そういう場合もあるのかな。
あとは、「所得金額(a)-(b)」◆欄を記入して、
「所得金額(a)-(b)」の合計金額を◎欄に(A)として書くんだよね。

ponkao
これを下の配偶者特別控除の早見表に当てはめて、
配偶者特別控除額(●欄)を記入したら完成だね。


okutankao

やった!できたー!




ponkao
引き続き配偶者特別控除申告書の「配偶者の合計所得金額(見積額)」の
表の書き方を見ていこう。
今回は、②行目「事業所得②」だね。

00198

okutankao
事業所得って何?
どんな所得が事業所得なの?


ponkao事業所得とは、農業、林業、水産養殖業、製造業、卸売業、
小売業や金融業などのサービス業のほか、
対価を得て継続的に行う事業による所得
を指すよ。

okutankao
なるほど。
お給料をもらうんじゃなくて、事業をして得る所得なんだね。


00062

ponkao
「事業所得②」も、「給与所得①」の時と同じように、
本年中の合計所得見積もり金額を記入する。
(「収入金額等(a)」☆欄)

okutankao

「必要経費等(b)」★欄は、事業でかかった経費を書けばいいってことかな?


ponkaoそうだね。
事業所得で必要経費になるのは、事業の収入を得るために必要な
売上原価や販売費、一般管理費やその他の費用
だよ。
家内労働法に規定する家内労働者、外交員、集金人、電力量計の検針人
     その他特定の者に対して継続的に人的役務の提供を行うことを業務とする人
     (家内労働者等)の事業所得の必要経費の合計額については、
     65万円(収入金額を限度とし、他に給与所得がある場合には、給与所得控除額を
     控除した残額とします。)まで認められる特例があるよ。
    
okutankao

なんのこっちゃい。


ponkao難しくないよ。
特定の仕事に就いている人には、必要経費として65万円まで控除が
認められる特例があるってことだ。


okutankao
むむむ。
家内労働法に規定する家内労働者っていうのは何?


ponkao
家内労働者とは、自宅を作業場として、メーカーとか問屋みたいな委託者から、
部品や原材料の提供を受けて、一人で、または同居の親族と一緒に、
物品の製造や加工などを行って、その労働に対して工賃を受け取る人のことだよ。
     一番イメージしやすいのは、内職だね。

okutankao
あ!うさが小さい頃、うさ母が内職してたよ。
手作り品をネットで売ったり、ピアノの先生をしたりっていうのも、
家内労働者になるの?

ponkao
手作り品のネット販売は、家内労働者じゃないよ。
メーカーや問屋みたいな委託者が存在しないでしょ。
知り合いや友達に頼まれて有料で作っている場合も、委託者とはいえないから
    家内労働者ではない。

okutankao

ぐぬぬ。


ponkaoピアノの先生は、場合による。
ヤマハ音楽教室みたいな会社と契約して先生をしている場合は家内労働者だけど、
個人で生徒さんを取って教えている場合は家内労働者ではないんだ。


okutankao

む、むずかしいかも・・・


ponkao
家内労働者だと言えるためには、いくつかの条件を満たしている必要がある。
その条件や、家内労働者の労働について定めた法律が、家内労働法だよ。
家内労働者に該当するかどうかの条件を知りたい人は、
    このページ(家内労働法のあらまし)なんかが参考になるよ。

okutankao
外交員、集金人、電力量計の検針人は分かるね。
「その他特定の者に対して継続的に人的役務の提供を行うことを業務とする人」
っていうのは何だろ?

ponkao
内職や集金人のように「特定の人に対して」、「継続的に」、「人的役務」の
提供を行う業務を仕事にする人であれば、対象者になるということだね。


okutankao

「収入金額を限度とし、他に給与所得がある場合には、給与所得控除額を
控除した残額とします」っていうのはどういう意味かな?


ponkao
「収入金額を限度とし、」というのは、収入を超えて控除を受けることはできない
ということだよ。
例えば収入が40万円の時に65万円の控除を受けて、25万円の赤字にする
ことはできないんだ。

okutankao
ああ、なるほど。
収入が40万円の時は、65万円じゃなくて、40万円まで控除が受けられ
るんだね。

ponkao
「他に給与所得がある場合には、給与所得控除額を控除した残額とします」
というのは、給与所得控除と重複して特例の控除を受けることは
できないよということだよ。


okutankao

ん?ん?


ponkao
給与所得があると、給与所得控除が65万円受けられるよね。⇒「給与所得①」
パートしながら家内労働者としての事業収入もある、という人が、
給与の所得について65万円の控除を受けて、
事業所得についても65万円の特例の控除を受けたら、合わせて130万円の控除を
    受けられることになってしまう。
    これはできないんだ。

okutankao

じゃあどうなるの?


ponkao
給与所得と事業所得あわせて、65万円まで控除が受けられるんだ。
例えば、給与所得が80万円ある人は、給与所得控除だけで65万円を
使い切ってしまうから、家内労働者の特例は受けられない。
 給与所得が40万円だったら、給与所得控除は40万円になる。
     残りの25万円を、事業所得の経費として控除できるんだ。 

okutankao
なるほど。
 給与と事業とあわせて、65万円までってことなんだね。


ponkao
ちなみにこの特例は、実際にかかった経費が65万円を超えてしまっている
場合は適用されない
から注意が必要だよ。
逆に、実際にかかった経費が65万円に満たなくても、65万円の控除を
受けられる。 

okutankao 
なるほど!
知っていれば税金を節約できるかもね!

 
ponkao

じゃあ、申告書の次の欄を見ていこうか。



okutankao
ええっと・・・「収入金額等(a)」と「必要経費等(b)」が書けたら、
「所得金額(a)-(b)」を記入するんだね。
◆欄は、130,000円-550,000円=750,000円になるね。

ponkao
事業所得以外にも所得がある場合は、同じように
「収入金額等(a)」と「必要経費等(b)」、そして「所得金額(a)-(b)」を
記入するよ。
     最後に「所得金額(a)-(b)」の合計金額を◎欄に(A)として記入する。

okutankao
(A)の◎欄は、750,000円になるね。
これを下の配偶者特別控除の早見表に当てはめるんだね。


ponkao
そう。
750,000円の時の控除額はいくらになるかな?


okutankao

え~っと、750,000円から759,999円までの控除額は
30,000円だね!

ponkao
そうしたら、「配偶者特別控除額(早見表Bの金額)」(●欄)に、
30,000円と記入して完成だね。


okutankao

30,000円の配偶者特別控除が受けられるんだね。

 

↑このページのトップヘ