年末調整の書き方

年末調整の書き方をまとめました。 うさぎ、ぱんだと年末調整を学ぶブログ。

カテゴリ:年末調整の書き方 > └H28配偶者特別控除申告書の書き方



ponkao
保険料控除申告書は、配偶者特別控除の申告書も兼ねている。
配偶者特別控除申告書の部分の書き方も見ていくよ。


okutankao
保険料控除申告書の右上の部分が、
配偶者特別控除の申告書だね。


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ponkao

配偶者特別控除がどういう控除だったか、覚えているかな? 


okutankaoえ~っと。
その年の所得が38万円を超えちゃって、配偶者控除が受けられない配偶者が
対象の控除だったよね。⇒配偶者特別控除とは?


ponkaoそうそう。
それから、控除を受ける人のその年の所得が1千万円以下であること、とか、
いくつか条件があったよね。⇒配偶者特別控除とは?
配偶者のその年の所得額によって、控除額も変わるんだったよね。

okutankao
配偶者特別控除を受ける条件を満たしている場合に、
配偶者特別控除を受けるために提出するのが、
この申請書なんだね。 

ponkao
配偶者特別控除申告書を書く時は、まず自分の配偶者が
配偶者特別控除を受けるための条件を満たしているかどうかを
調べてね。

okutankao

⇒配偶者特別控除とは? で分かるよね。


ponkao

じゃあ、まずは記入欄の前半部分を見ていこう。

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ponkao
まず①「あなたの本年中の合計所得金額の見積額」欄だね。
この欄は、申請書を提出する人の、本年中の所得合計見積額を書く。


okutankao

ぱんだちゃんがこの申請書を提出するとしたら、
ぱんだちゃん自身の所得合計見積金額を書くんだね。

ponkao

②「配偶者の氏名」と、③「配偶者の生年月日」は難しくないね。


okutankao

その下の欄が、全部空欄になっているけど・・・?


ponkao
配偶者が、自分と同じ住所で一緒に生活している場合は、
これらの欄は記入する必要はないんだ。


okutankao
ふむふむ。
じゃあ、これらを記入するのはどういう時なの?


ponkao
配偶者が、自分と違う住所に住んでいる時や、
非居住者である場合だよ。

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ponkao

例えば上記は、配偶者がアメリカで暮らしている場合の記入例だよ。


okutankao
えーっと、④「あなたと配偶者の住所または居所が異なる場合の
配偶者の住所又は居所」には、アメリカの住所が書かれているね。


ponkao
非居住者だから、⑤「非居住者である配偶者」に丸がしてある。



okutankao

ぱんだちゃん、非居住者ってなんだっけ・・・


ponkao
非居住者とは、国内に住所を持たず、且つ、現在まで引き続いて
1年以上居所を持たない個人をいうよ。
非居住の親族、つまり、国外居住親族も、控除を受けることができるんだ。
    ⇒国外居住親族とは?

okutankao

⑥「生計を一にする事実」っていうのは何だったっけ?


ponkao
「生計を一にする」というのは、生活の財源が一緒だよという意味だよ。
別々に住んでいても、仕送りで生活している場合などは、「生計を一にしている」
ことになるんだ。 ⇒扶養控除とは?【1】

okutankao
ああそうか。
⑥「生計を一にする事実」欄には、本年中に配偶者に仕送り、送金などをした
金額の合計額を書けばいいんだね。

ponkao
そう。 
それから、その配偶者に関する「親族関係書類」と「送金関係書類」を
添付して提出する必要があるから、注意してね。

okutankao

 「親族関係書類」と「送金関係書類」は、
⇒国外居住親族とは? で説明してくれたものだね。





ponkao
続いて、配偶者の所得を記入して、
配偶者特別控除の額を計算するよ。

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okutankao
ええっとまず、「配偶者の合計見積額」の表を埋めるんだね。
「収入金額等(a)」の列と、「必要経費等(b)」の列、
それから「所得金額(a)-(b)」の列に記入するみたいだね。

ponkao
まず1行目は「給与所得①」だ。
パートなどで働いていて、給与所得がある人は、☆欄に本年中の給与の
合計金額を記入する。

okutankao
まだ12月のパート代が確定していないという場合は
どうしたらいいの?


ponkao
1月~12月までの給与の合計見込み額で大丈夫。
12月分は予測でいいってことだね。
予測と実際の所得があまりにも違ってしまった場合は、会社に訂正を依頼するか、
確定申告で自分で訂正する。
     そのままにしていると控除額が損しているかもしれないからね。

okutankao

「給与所得①」の「必要経費等(b)」は、
すでに65万円と記入されているね。

ponkao
この65万円は、給与所得控除額だったよね。
覚えているかな?


okutankao
お給料をもらう人の必要経費として認められている控除金額だったよね。
例では、「給与所得①」の「収入金額等(a)」が130万円で、
「必要経費等(b)」が65万円だから、「所得金額(a)-(b)」★欄は
65万円になるんだね。

ponkao

給与所得以外の所得がない人は、2行目以降は記入する必要がない。
◎欄に(A)として、「所得金額(a)-(b)」列の合計金額650,000円と記入する。

okutankao

ふむふむ。


ponkao
そうしたら今度は、(A)の金額を、配偶者特別控除の早見表に
当てはめる。


okutankao
ええっと、65万円は、650,000円~699,999円までに該当するね。
控除額(B)は110,000円だって。


ponkao
そうしたら、「配偶者特別控除額(早見表Bの金額)」(●欄)に、
110,000円と記入して完成だ。
110,000円の配偶者特別控除が受けられるということだね。

okutankao
お~!簡単にできた!
じゃあ、「給与所得①」以外の所得がある場合はどうすればいいの?


ponkao

次回「事業所得②」の書き方を見ていくからね。


okutankao

ほ~い!







ponkao
引き続き配偶者特別控除申告書の「配偶者の合計所得金額(見積額)」の
表の書き方を見ていこう。
今回は、②行目「事業所得②」だね。

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okutankao
事業所得って何?
どんな所得が事業所得なの?


ponkao事業所得とは、農業、林業、水産養殖業、製造業、卸売業、
小売業や金融業などのサービス業のほか、
対価を得て継続的に行う事業による所得
を指すよ。

okutankao
なるほど。
お給料をもらうんじゃなくて、事業をして得る所得なんだね。


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ponkao
「事業所得②」も、「給与所得①」の時と同じように、
本年中の合計所得見積もり金額を記入する。
(「収入金額等(a)」☆欄)

okutankao

「必要経費等(b)」★欄は、事業でかかった経費を書けばいいってことかな?


ponkaoそうだね。
事業所得で必要経費になるのは、事業の収入を得るために必要な
売上原価や販売費、一般管理費やその他の費用
だよ。
家内労働法に規定する家内労働者、外交員、集金人、電力量計の検針人
     その他特定の者に対して継続的に人的役務の提供を行うことを業務とする人
     (家内労働者等)の事業所得の必要経費の合計額については、
     65万円(収入金額を限度とし、他に給与所得がある場合には、給与所得控除額を
     控除した残額とします。)まで認められる特例があるよ。
    
okutankao

なんのこっちゃい。


ponkao難しくないよ。
特定の仕事に就いている人には、必要経費として65万円まで控除が
認められる特例があるってことだ。


okutankao
むむむ。
家内労働法に規定する家内労働者っていうのは何?


ponkao
家内労働者とは、自宅を作業場として、メーカーとか問屋みたいな委託者から、
部品や原材料の提供を受けて、一人で、または同居の親族と一緒に、
物品の製造や加工などを行って、その労働に対して工賃を受け取る人のことだよ。
     一番イメージしやすいのは、内職だね。

okutankao
あ!うさが小さい頃、うさ母が内職してたよ。
手作り品をネットで売ったり、ピアノの先生をしたりっていうのも、
家内労働者になるの?

ponkao
手作り品のネット販売は、家内労働者じゃないよ。
メーカーや問屋みたいな委託者が存在しないでしょ。
知り合いや友達に頼まれて有料で作っている場合も、委託者とはいえないから
    家内労働者ではない。

okutankao

ぐぬぬ。


ponkaoピアノの先生は、場合による。
ヤマハ音楽教室みたいな会社と契約して先生をしている場合は家内労働者だけど、
個人で生徒さんを取って教えている場合は家内労働者ではないんだ。


okutankao

む、むずかしいかも・・・


ponkao
家内労働者だと言えるためには、いくつかの条件を満たしている必要がある。
その条件や、家内労働者の労働について定めた法律が、家内労働法だよ。
家内労働者に該当するかどうかの条件を知りたい人は、
    このページ(家内労働法のあらまし)なんかが参考になるよ。

okutankao
外交員、集金人、電力量計の検針人は分かるね。
「その他特定の者に対して継続的に人的役務の提供を行うことを業務とする人」
っていうのは何だろ?

ponkao
内職や集金人のように「特定の人に対して」、「継続的に」、「人的役務」の
提供を行う業務を仕事にする人であれば、対象者になるということだね。


okutankao

「収入金額を限度とし、他に給与所得がある場合には、給与所得控除額を
控除した残額とします」っていうのはどういう意味かな?


ponkao
「収入金額を限度とし、」というのは、収入を超えて控除を受けることはできない
ということだよ。
例えば収入が40万円の時に65万円の控除を受けて、25万円の赤字にする
ことはできないんだ。

okutankao
ああ、なるほど。
収入が40万円の時は、65万円じゃなくて、40万円まで控除が受けられ
るんだね。

ponkao
「他に給与所得がある場合には、給与所得控除額を控除した残額とします」
というのは、給与所得控除と重複して特例の控除を受けることは
できないよということだよ。


okutankao

ん?ん?


ponkao
給与所得があると、給与所得控除が65万円受けられるよね。⇒「給与所得①」
パートしながら家内労働者としての事業収入もある、という人が、
給与の所得について65万円の控除を受けて、
事業所得についても65万円の特例の控除を受けたら、合わせて130万円の控除を
    受けられることになってしまう。
    これはできないんだ。

okutankao

じゃあどうなるの?


ponkao
給与所得と事業所得あわせて、65万円まで控除が受けられるんだ。
例えば、給与所得が80万円ある人は、給与所得控除だけで65万円を
使い切ってしまうから、家内労働者の特例は受けられない。
 給与所得が40万円だったら、給与所得控除は40万円になる。
     残りの25万円を、事業所得の経費として控除できるんだ。 

okutankao
なるほど。
 給与と事業とあわせて、65万円までってことなんだね。


ponkao
ちなみにこの特例は、実際にかかった経費が65万円を超えてしまっている
場合は適用されない
から注意が必要だよ。
逆に、実際にかかった経費が65万円に満たなくても、65万円の控除を
受けられる。 

okutankao 
なるほど!
知っていれば税金を節約できるかもね!

 
ponkao

じゃあ、申告書の次の欄を見ていこうか。



okutankao
ええっと・・・「収入金額等(a)」と「必要経費等(b)」が書けたら、
「所得金額(a)-(b)」を記入するんだね。
◆欄は、130,000円-550,000円=750,000円になるね。

ponkao
事業所得以外にも所得がある場合は、同じように
「収入金額等(a)」と「必要経費等(b)」、そして「所得金額(a)-(b)」を
記入するよ。
     最後に「所得金額(a)-(b)」の合計金額を◎欄に(A)として記入する。

okutankao
(A)の◎欄は、750,000円になるね。
これを下の配偶者特別控除の早見表に当てはめるんだね。


ponkao
そう。
750,000円の時の控除額はいくらになるかな?


okutankao

え~っと、750,000円から759,999円までの控除額は
30,000円だね!

ponkao
そうしたら、「配偶者特別控除額(早見表Bの金額)」(●欄)に、
30,000円と記入して完成だね。


okutankao

30,000円の配偶者特別控除が受けられるんだね。

 

 



ponkao
引き続き配偶者特別控除申告書の「配偶者の合計所得金額(見積額)」の
表の書き方を見ていこう。
今回は、③行目「雑所得③」だね。

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okutankao

雑所得って、どんな所得なの?


ponkao雑所得とは、以下の9つの所得のいずれにも該当しない所得のことを言うんだ。
1)利子所得 2)配当所得 3)不動産所得 4)事業所得 5)給与所得
6)退職所得 7)山林所得 8)譲渡所得 9)一時所得


okutankao
「その他の所得」って感じのニュアンスで理解すればいいのかな。
具体的に、どんな所得が雑所得なの?


ponkao
公的年金や生命保険の個人年金、非営業用貸金の利子、
著述家や作家以外の人が受ける原稿料や印税、講演料や放送謝金などだよ。


okutankao

年金は、雑所得なんだね!


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ponkao
書き方は、これまでと同じように、「収入金額等(a)」☆欄に
本年中の合計所得見積もり金額を記入するよ。


okutankao
「必要経費等(b)」★欄は、雑所得を得るためにかかった経費を書けば
いいんだよね?


ponkao

そうだよ。


okutankao
あれ?でも待って。
雑所得の内訳が年金の場合は、必要経費等は0円になるの?
年金をもらうのに、経費はかからないよね。

ponkao
いいところに気がついたね。
年金の中で公的年金をもらっている場合は、公的年金等控除額を、
必要経費欄に記入できるんだよ。

okutankao

公的年金?


ponkao
国民年金、厚生年金、共済年金、確定給付企業年金、適格退職年金契約による年金、
確定拠出年金の老齢給付年金、恩給(一時恩給を除く)などが公的年金だよ。


okutankao 
えーっと。
公的年金による雑所得だと、控除をしてもらえるってことなのかな?


ponkao
そうそう。
給与所得控除と同じように、公的年金控除も控除額が決まっている。
公的年金控除額については、こちらを見てね。(国税庁)

okutankao
うさの友達で、アフィリエイトとかオークションで
小金を稼いでいる人がいるんだけど、それも雑所得でいいの?


ponkao

事業としてやっている場合は、事業所得になるけどね。


okutankao
えーっと、それから・・・
「所得金額(a)-(b)」◆欄を記入して、
「所得金額(a)-(b)」の合計金額を◎欄に(A)として書くんだよね。

ponkao
これを下の配偶者特別控除の早見表に当てはめて、
配偶者特別控除額(●欄)を記入しておしまいだよ。


okutankao

できたー!





ponkao
引き続き配偶者特別控除申告書の「配偶者の合計所得金額(見積額)」の
表の書き方を見ていこう。
今回は、④行目「配当所得④」だね。

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okutankao

配当所得って、どんな所得なの?


ponkao
配当所得とは、法人から受ける利益の配当、剰余金の分配などの所得の
ことだよ。 


okutankao

具体的にどんなものが配当所得なの?


ponkao 
上場株式の配当、非上場株式の配当、剰余金の分配、
公社債投資信託や公募公社債等運用投資信託以外の投資信託の収益の分配
とかかな。

okutankao

投資をしている人は、当てはまりそうだね。


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ponkao
書き方は、「収入金額等(a)」☆欄に本年中の合計所得見積もり金額を記入する。
これまでと同じだね。


okutankao
配当や余剰金等として入ってきたお金は、
全額配当所得として書いちゃっていいのかな?


ponkao
配当所得のうち、次のものについては収入金額に含まないから注意してね。

①源泉分離課税とされる私募公社債等運用投資信託及び特定目的信託
 (社債的受益権に限る)の収益の分配
     ②確定申告をしないことを選択した、
      (a)上場株式等の配当等(特定株式投資信託の収益の分配を含む)
      (b)公募証券投資信託の収益の分配
        (特定株式投資信託及び公社債投資信託を除く)
      (c)特定投資法人の投資口の配当等
      (d)公募投資信託の収益の分配
       (証券投資信託、特定株式投資信託及び公募公社債等運用投資信託を除く)
      (e)公募特定受益証券発行信託の収益の分配
      (f)特定目的信託の社債的受益権の剰余金の配当
       (公募のものに限る)
      (g)これら以外の配当等で1銘柄について1回の金額が10万円に配当計算期間の
       月数(最高12か月)を乗じてこれを12で除して計算した金額以下の配当等

okutankao

・・・・・・・・ええっと。


ponkaoまず①から簡単に説明しようか。
証券会社や銀行で販売されている投資信託は、通常、多数の人を対象に資金を集める
公募投資信託なんだけど、これに対して少数(50人未満)の人たちを対象にしたもの、
適格機関投資家を対象としたものが私募投資信託というんだ。
    
okutankao
ええっとつまり、私募公社債等運用投資信託は、公募じゃなくて、且つ、
公社債などを運用する投資信託という意味だね。


ponkao
特定目的信託は、特定資産(不動産や金銭債権など)の流動化を行うことを目的に、
その資産の保有者が信託銀行に拠出して設立する信託だ。
「社債的受益権に限る」というのは、あらかじめ定められた金額の分配を受ける種類の
     受益権に限りますよということだ。
    
okutankao

受益権って何?


ponkao受益権は、投資信託の運用収益などの利益を受益者が受ける権利だよ。
これらの信託は、源泉分離課税、つまり、税金が源泉徴収されることで課税関係が
完了しする課税方法なんだ。


okutankao
源泉徴収された時点でもう税金に関する処理は完了しちゃってるから、
収入として申告しないんだね。
ふむふむ。

ponkao
②は、確定申告をしないことを選択した、各種配当金や
分配金は収入に含まないという説明だ。


okutankao

上場株式等の配当とか、公募証券投資信託の収益の分配とか・・・
色々あるね。

ponkao
これら(a)~(g)の中に、確定申告しないことを決めたものがあれば、
それらは収入金額に含まないよ。


okutankao
ふむふむ。
「必要経費等(b)」★欄は、配当所得を得るためにかかった経費を書けば
いいんだよね?

ponkao

そうだよ。


okutankao
配当所得の経費って・・・
どんなものがあるの?


ponkao
お金を借りて買った株式に配当があった場合に、その借入金の支払利子を、
収入金額から差し引くことができるよ。


okutankao
なるほど。そういう場合もあるのかな。
あとは、「所得金額(a)-(b)」◆欄を記入して、
「所得金額(a)-(b)」の合計金額を◎欄に(A)として書くんだよね。

ponkao
これを下の配偶者特別控除の早見表に当てはめて、
配偶者特別控除額(●欄)を記入したら完成だね。


okutankao

やった!できたー!



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