給与所得控除で65万円を差し引いて・・・っていうのがよく出てくるけど、
給与所得控除っていうのは、何なの?
わかりやすく教えて。 給与所得控除は、所得税の計算をする時に使うものだよ。
その名の通り、所得税額の控除をしてくれるんだ。
給与による収入がある人だけが受けられる控除でもある。
ふむふむ。
まず、収入から必要経費を差し引いたものを、所得と呼ぶんだ。
給与所得控除は、この必要経費に該当する。
必要経費・・・
所得から、所得控除を差し引いたものが、課税所得になる。
所得控除っていうのは、社会保険料や生命保険、扶養控除、医療費控除などだよ。
給与所得控除は「所得控除」というフレーズが含まれているけど、
必要経費の方であって所得控除ではないから注意してね。
ややこしいなあ。
課税所得に所得税率を掛けて出た額が、所得税だよ。
さらに、所得税から税額控除を差し引いた金額が、実際に納税する所得税納付額と
なるんだ。
税額控除って何?
寄付金控除のような、税金から直接控除できるものだよ。
全体の流れは何となくわかったような気がする。
でも、給与所得控除は必要経費ですって言われても・・・ちょっとねえ。
例えば、うさちゃんが人参を売るとしよう。
人参を販売して利益を得るためには、経費が色々かかるよね。
ええと、まず場所を借りるお金でしょ、光熱費、人件費…
人参の仕入れにもお金がかかるよね。
実際に人参が売れた売上金額から、それらの経費を差し引いた金額が、
うさちゃんの利益だ。
ふむふむ。
じゃあ給与に置き換えて考えてみるよ。
給与として支払われる金額から、経費を差し引いた金額が、
うさちゃんの所得になる。
その経費にあたるのが、給与所得控除ってことね。
給与を支払われるサラリーマンも、スーツや鞄を買ったり、
自費で賄わなくちゃならないものがあるよね。
だけど、「●円でスーツを買いました」、「◎円で鞄を買いました」、
と全国のサラリーマンが税務署に報告していたら、税務署はそのチェックに
てんてこ舞いになってしまう。
サラリーマンはたくさんいるからなあ。
それに色んなお仕事の人がいるから、どれが経費に認められて、
どれは認められないのか、税務署の人がチェックするのは難しそうだよね。 だから、サラリーマンの経費は一律で決めちゃおうということになった。
給与所得控除の額は、下記のように計算することに決まっているんだ。
給与等の収入金額 (給与所得の源泉徴収票の支払金額) | 給与所得控除額 |
180万円以下 | 収入金額×40% ※65万円未満の場合、65万円 |
180万円超 360万円以下 | 収入金額×30%+18万円 |
360万円超 660万円以下 | 収入金額×20%+54万円 |
660万円超 1,000万円以下 | 収入金額×10%+120万円 |
1.000万円超 1,500万円以下 | 収入金額×5%+170万円 |
1,500万円超 | 245万円(上限) |
給与等の収入金額は、1月1日~12月31日の1年間の合計だよ。
複数社からもらっている場合は、合算した金額だよ。
給与所得控除額が65万円未満の場合は、65万円の給与所得控除が受けられるって
書いてあるね。
そうそう。
計算式に収入をあてはめて、算出される給与所得控除額が65万円未満だったら、
65万円の給与所得控除を受けられるんだ。
年間の給与等の収入額 100万円の場合 100万円×40%=40万円 65万円未満なので、給与所得控除は65万円 |
年間の給与等の収入額 300万円の場合 300万円×30%+18万円=108万円 給与所得控除は108万円 |
年間の給与等の収入額 700万円の場合 700万円×10%+120万円=190万 給与所得控除は190万円 |
所得税上の扶養に入るためには、年間の収入が103万円を超えてはいけないと
いうルールがあったよね。 ⇒扶養控除とは?
うん。年間の給与等の収入から65万円を引いた金額が、
38万円を超えなければ、扶養に入れるっていうルールだったね。
38万円+65万円=103万円だから、103万円を超えてはいけないんだよね。
103万円×40%=41万3333・・・円=65万円未満になるから、65万円の給与所得控除が
受けられるんだね。
なるほど!