社員Mさんの息子さんがアルバイトをしているんだ。
年末調整で、息子さんをMさんの扶養に入れることはできるの?
息子さんが扶養に入れるかどうかは、まずその息子さんが
扶養親族となる条件を満たしているかどうかをチェックするんだ。
条件って、どんなの?
扶養控除とは?【1】を読んで欲しいんだけれど、
生計を一にしていることや年間の合計所得金額が48万円以下であること
などの4つの条件があるよ。
「年間の合計所得金額が48万円以下」っていうのは、よく聞くよね。
アルバイトで稼ぎすぎちゃダメだってヤツでしょ。
1年間の所得が103万円を超えてしまうと、扶養控除は受けられない。
ふむふむ。
息子さんが扶養親族に該当することがわかったら次は、年末調整で
息子さんの分の扶養控除を受けられるかどうかを確認しよう。
扶養親族に該当すれば、必ず扶養控除が受けられるわけではないのか。
そう。
具体的に何をすればいいかというと、息子さんの年齢をチェックする。
大学生らしいよ。
じゃあ、扶養控除を受けることができるよ。
年末調整で控除が受けられるのは、その年の年末(12月31日)時点で、
16歳以上の子供だ。
16歳以下だと、先の4つの条件を満たしていても、扶養控除は
受けられないんだね。⇒扶養控除とは?【2】
大学生なら18歳以上だから「控除対象扶養親族」に該当する。
親であるMさんは48万円の所得控除が受けられるよ。
親であるMさんは48万円の所得控除が受けられるよ。
扶養控除等異動申告書での記入は、以下のようになるよ。
記入するのは、控除対象扶養親族(16歳以上)の部分だね。
もし息子が16歳未満で、アルバイトをしていたらどうすればいいの?
その場合は、扶養控除申告書の中でも記入する欄が違うから気をつけて。
こっちに書いてね。
さっきも言ったけれど、16歳未満の子は扶養控除が受けられないから
注意してね。
記入する内容は、名前、フリガナ、続柄、生年月日か。難しくないね。
マイナンバーはどうすればいいんだっけ?
マイナンバーについては、平成29年1月以降に提出する扶養控除申告書に
おいては、給与支払者、つまり会社が、扶養控除等申告書などの一定の
税務関係書類の提出を受けて作成した従業員等のマイナンバー等が記載された
帳簿を備えている場合には、その帳簿に記載された従業員等の
マイナンバーについては、記載する必要はないことになっているよ。
⇒国税庁Q&A
あとは、老人扶養親族か、特定扶養親族に該当するかどうかの
チェックを入れる欄だね。
今回は老人・特定どちらでもないから、チェックは要らないね。
続いて、「所得の見積額」の欄にバイト代の年間見積額を記入するよ。
扶養控除申告書は通常、年末調整のときに「書いてください」と
配られるよね。
このときに配られる扶養控除申告書は、翌年分のものだ。
令和平成29年の年末調整のときに配布されるのは、平成30年分の
扶養控除申告書だということだね。
そうそう。会社は、令和2年1月の給与から、この扶養控除申告書に書かれた
情報を使いたい。
だからそれに間に合うように、年末に「書いてください」と言われるわけだ。
ということは、この「所得の見積額」というのは、今年バイト代をいくら
もらったかという総額を書くわけじゃないんだね。
そう。翌年(今年が令和2年なら令和3年)に、いくらくらいの
バイト代をもらうか、という見積額を書くよ。
実際とは違っても、この時点では全然構わない。おおよそでいいんだよ。
なるほど!息子さんの今年のアルバイト代は80万円くらいだったらしいから、
来年も同じくらいの見積額でいいかな。
じゃあ、「所得の見積額」は「80万円」って書けばいいね。
ブッブー!!
えっ?!違うの?!
違うの。
「所得の見積額」は、収入から必要経費を引いた金額を書くんだ。
必要経費・・・
所得が給与の場合は、給与所得控除額を、 ⇒給与所得控除とは?
公的年金の場合は、公的年金等控除額を、必要経費として差し引くんだ。
ええっとつまり・・・
80万円から55万円を差し引いた金額が、来年の所得見積額になるのね?
そう。年間所得額の見積もりが48万円を超えてはならないことに
注意が必要だよ。
どうして?
さっきも話をした、103万円の壁というやつだ。
55万円を差し引いた金額が48万円より大きかったら、扶養に入れない。
ああそうか、55万+48万=103万円だもんね。
103万円以下のバイト代でおさえないと、扶養控除を受ける権利がなくなるんだ。
そう。扶養親族の条件を満たさない親族は、
そもそも扶養控除申告書のこの行に記載することができない。
なるほど。じゃあM息子の場合、80万-55万=25万円だから、
25万円と書けばいいのね。
そういうことだね。
ついでだから、最後まで記入してみようか。
バイト代をもらうか、という見積額を書くよ。
実際とは違っても、この時点では全然構わない。おおよそでいいんだよ。
なるほど!息子さんの今年のアルバイト代は80万円くらいだったらしいから、
来年も同じくらいの見積額でいいかな。
じゃあ、「所得の見積額」は「80万円」って書けばいいね。
ブッブー!!
えっ?!違うの?!
違うの。
「所得の見積額」は、収入から必要経費を引いた金額を書くんだ。
必要経費・・・
所得が給与の場合は、給与所得控除額を、 ⇒給与所得控除とは?
公的年金の場合は、公的年金等控除額を、必要経費として差し引くんだ。
■パート・アルバイトの給与の場合 1年間の給料額(103万円以下)-55万円=年間所得額 (48万円以下) |
ええっとつまり・・・
80万円から55万円を差し引いた金額が、来年の所得見積額になるのね?
そう。年間所得額の見積もりが48万円を超えてはならないことに
注意が必要だよ。
どうして?
さっきも話をした、103万円の壁というやつだ。
55万円を差し引いた金額が48万円より大きかったら、扶養に入れない。
ああそうか、55万+48万=103万円だもんね。
103万円以下のバイト代でおさえないと、扶養控除を受ける権利がなくなるんだ。
そう。扶養親族の条件を満たさない親族は、
そもそも扶養控除申告書のこの行に記載することができない。
なるほど。じゃあM息子の場合、80万-55万=25万円だから、
25万円と書けばいいのね。
そういうことだね。
ついでだから、最後まで記入してみようか。
ええっと、「非居住者である親族」は、非居住者である場合に
欄内に「○」を書けばいいんだよね。
「生計を一にする事実」欄は、この配偶者が非居住者である場合に、
年内にこの配偶者へ送金した金額の合計額を記入するよ。
といっても書類の提出時にはまだ金額は確定していないから、
来年の年末調整を行う時に、追記するよ。 ⇒国外居住親族とは?
「住所又は居所」は問題ないよね。
アメリカに短期留学しているなら、アメリカの居所を書けばいいのかな。
そうだね。最後の「異動月日及び事由」は、新たに扶養に入った場合に
その理由と日付を書くよ。
結婚したとか、扶養から外れたけれどまた戻ってきた場合なども含まれるよ。
できた!
明日Mさんに説明してみるよ。