ぱんだちゃん。平成30年分の扶養控除等(異動)申告書から、
源泉控除対象配偶者とかいうものが登場していて、よくわからないんだけど・・・
源泉控除対象配偶者って、何なの?控除対象配偶者とは違うの?
うん。控除対象配偶者と源泉控除対象配偶者は違うものだよ。
自分の配偶者が控除対象配偶者なのか源泉控除対象配偶者なのかによって、
所得税額が変わってくるから注意が必要だよ。
むむむ。教えてください。
控除対象配偶者の条件と控除額も、平成30年からは変更になるから注意してね。
それから、「源泉控除対象配偶者」も「控除対象配偶者」の条件・控除額の
変更も、どちらも平成30年からだからね。
平成29年の年末調整は、例年通りだ。間違えないようにね。
ほい!
◆平成29年までは、控除対象配偶者を1人と数えていたけれど・・・
平成29年までは、控除対象配偶者がいると、源泉徴収税額表による毎月の
源泉徴収時に扶養親族等を1人と数えていたよね。
ええっと?
つまり、毎月のお給料から源泉徴収をするとき、源泉徴収税額表をみて計算
するよね。
その人に何人の扶養親族等がいるかによって、所得税額が変わる。
例えば、その月の社会保険料等控除後の給与等の金額が167,000円~169,000円
の場合、扶養親族等が0人の場合は3,620円の源泉所得税額支払う必要がある
けれど、扶養親族等が3人いたら、源泉所得税額は0円だっていうことだね。
そう。平成29年までは、控除対象配偶者がいると、この「扶養親族等の数」に
1人として計上していた。
控除対象配偶者である奥さんと自分だけで、子供のいない2人家庭の場合、
「扶養親族等の数」を1人と数えて源泉徴収を行っていたということだね。
平成30年からは、控除対象配偶者がいても、1人とは数えない。
源泉控除対象配偶者がいる場合だけ、1人と数えるんだ。
源泉控除対象配偶者?
源泉控除対象配偶者 居住者(合計所得金額が900万円以下である人に限る)と生計を一にする配偶者で、合計所得金額が85万円以下である人 |
控除対象配偶者として扱われるための条件とは、確かに違っているね。
⇒控除対象配偶者(配偶者控除)とは? (H30~)
分かりやすくいうとね、源泉控除対象配偶者というのは、
配偶者控除、配偶者特別控除が38万円(老人配偶者控除48万円)の人なんだ。
下図の赤色の範囲に該当する人だよ。
具体例が知りたいんだけども・・・
そうだね。例えば、奥さん(30歳)の合計所得金額が38万以下で、居住者の
合計所得金額が900万円以下の場合、奥さんは控除対象配偶者として38万円の
控除が受けられ、かつ、源泉控除対象配偶者として、源泉所得税の計算のときの
扶養親族等の数に1人として加えられる。
じゃあ、奥さん(30歳)の合計所得金額は38万以下なんだけど、居住者の
合計所得金額が920万円だったら?
奥さんは控除対象配偶者として26万円の控除が受けられる。
でも源泉控除対象配偶者にはならないから、源泉所得税の計算のとき、
扶養親族等の数に奥さんは加えられない。
仮にこの夫婦が、子供がいない夫婦だけの家庭だったら、
源泉徴収税額表では扶養親族等の数が0人の列を見るということだね。
◆障がい者である場合は、扶養親族等の人数に数える
ここからは、ちょっと複雑な話になるんだけど・・・
ほげ。なあに?
さっきあげた例で、奥さん(30歳)の合計所得金額は38万以下なんだけど、
居住者の合計所得金額が920万円だった場合について、
奥さんは控除対象配偶者として26万円の控除が受けられるけれど、
源泉控除対象配偶者にはならないから、源泉所得税の計算のとき、
扶養親族等の数に奥さんは加えられないという話をしたね。
そうだね。
確かに奥さんは源泉控除対象配偶者ではない。
でも、この奥さんが障がい者に該当する場合は、扶養親族等の数には
1人加えることになるんだ。
えっえっ?どういうこと?
厳密にいうと、同一生計配偶者、つまり、居住者と生計を一にしていて
合計所得金額が38万円以下の配偶者が、障がい者に該当する場合は、
扶養親族等の数に1人加えるんだ。
「源泉所得税の改正のあらまし 平成29年4月」より
源泉控除対象配偶者には該当しなくても、源泉徴収のときに扶養親族等の数に
1人加えられる場合があるってことだね。
平成30年分の扶養控除等(異動)申告書をみてみると、
下図のように源泉控除対象配偶者を記入するようになっていて、且つ、
同一生計配偶者の障害者の数を記入するようになっているでしょ。
居住者の合計所得金額が高くて源泉控除対象配偶者に該当しない場合は、
源泉控除対象配偶者ではないから、源泉控除対象配偶者欄には何も書かないよね。
そう。でも、配偶者の合計所得が38万円以下である「同一生計配偶者」で、
且つ「障害者」である場合は、障害者の「同一生計配偶者」に1人と書く
ことで、源泉徴収のときに扶養親族等の数としてカウントしてもらえる・・・
という様式になったみたいなんだ。
ややこしいなあ。