年末調整の書き方

年末調整の書き方をまとめました。 うさぎ、ぱんだと年末調整を学ぶブログ。

2018年06月




ponkao
平成32年(2020年)から、非居住者の公的年金等の源泉所得税額の
控除額計算の基礎となる額が変わるよ。
⇒平成 30 年分 所得税の改正のあらまし

okutankao

えーっと。どういうこと?


ponkao
非居住者に対しても公的年金等が支払われるよね。


okutankao

うん。


ponkao
この公的年金等に係る源泉所得税の額を計算するときに、
控除額計算の基礎となる額が、平成32年(2020年)から変更になるんだ。

okutankao

ふむふむ。
どうかわるのかな?

ponkao
具体的には、以下のようになるよ。



●65歳未満の者 5万円(改正前:6万円)


●65歳以上の者 9万5千円(改正前:10万円)


okutankao

平成30年(2018年)現在は、「改正前」のほうだね。


ponkao
そう。それぞれ引き下げられることになるよ。
平成32年(2020年)分以後の所得税について適用されるよ。





ponkao
平成32年(2020年)から、年末調整の届出がちょっとだけデジタルに
なるよ。

okutankao

どういうこと?


ponkao
生命保険料控除や地震保険料控除、それから住宅ローン控除(住宅借入金等
特別控除)についての年末調整関係の書類を、電磁的方法で提供することが
可能になるんだ。
     ⇒平成 30 年分 所得税の改正のあらまし

okutankao

うーんと??


ponkao
例えば現在(改正前)、保険料控除を受けるためには、保険料控除申告書を
書いて、これに、保険会社から送られてくる保険料控除証明書を別途添付して
会社に提出するよね。

okutankao
そうだね。
住宅ローン控除を受けるときも、申告書と合わせて、年末残高等証明書を
添付して提出するよ。

ponkao
平成32年(2020年)の改正後は、これらの添付書類が電子的なものでも
OKだよということになるんだ。

okutankao

例えば、保険料控除証明書の場合はどうなるの?


ponkao
保険料控除証明書に書かれるべき項目がちゃんと記録されていて、且つ、
控除証明書の発行者の電子署名や、電子署名にかかる電子証明書がついている
ものを、保険料控除申告書に書くべき事項と一緒に電磁的方法で会社に提出
    するということが認められるようになるんだ。

okutankao

つまりあれだね。書類の提出が、すべてデジタルで完結できるように
なるわけだね。

ponkao
ただし、電磁的方法で書類の提出を受けるためには、会社側が税務署に対して、
届出
(源泉徴収に関する申告書に記載すべき事項の電磁的方法による提出の承認
申請書)をしておかないといけないんだ。

okutankao

届出がいるの?!
めんどうだねえ。まあ、仕方がないのかなあ。





ponkao
平成32年(2020年)から、所得税についていろいろな改正が行われるよね。
⇒平成 30 年分 所得税の改正のあらまし

okutankao

給与所得控除公的年金等の控除基礎控除の改正、それから、
新しく追加される所得金額調整控除だよね。

ponkao
これらの改正にともなって、平成32年(2020年)から、扶養親族等の
合計所得金額要件等も見直されることになったんだ。

okutankao

ふむ。具体的に、何がどう見直されるの?




(1)同一生計配偶者および扶養親族の合計所得金額要件が、48万円以下に引き上げられました。
 (改正前:38万円以下)

(2)源泉控除対象配偶者の合計所得金額要件が、95万円以下に引き上げられました。
 (改正前:85万円以下)

(3)配偶者特別控除の対象となる配偶者の合計所得金額要件が、48万円超133万円以下とされ(改正前:38万円超123万円以下)、その控除宅の算定の基礎となる配偶者の合計所得金額の区分が、それぞれ10万円引き上げられました。

(4)勤労学生の合計所得金額要件が、75万円以下に引き上げられました。
 (改正前:65万円以下)

(5)家内労働者等の事業所得等の所得計算の特例について、必要経費に参入する金額の最低保障額が55万円に引き下げられました。
 (改正前:65万円)


okutankao

・・・えーっと。


ponkao
まず(1)。同一生計配偶者と扶養親族は、現在(改正前)合計所得金額が
38万円以下であるとき
に、控除が受けられる決まりだよね。

okutankao

受けられる控除は、同一生計配偶者は配偶者控除、扶養親族は扶養控除
だよね。

ponkao
それが、「48万円以下であるときに控除が受けられる」に変わる。


okutankao

(2)は同じように、
源泉控除対象配偶者となる条件が、変わったよということね。

ponkao
そうだね。現在(改正前)は85万円以下となっているけれど、これが
95万円以下に変わる。

00237

okutankao

(3)は、配偶者特別控除を受けることができる、配偶者の合計所得金額帯が
変わるよということだね。
00238

ponkao
(4)は、勤労学生控除を受けるための条件の合計所得金額が、
「65万円以下」から「75万円以下」に変わったよということ。

okutankao
最後の(5)は、家内労働などの事業所得を得ている人の必要経費が、
「65万円」まで保障されていたのが、「55万円まで」に変わりますよ
ということね。

ponkao
正直言って、ややこしいんだけど・・・
まあ、覚えるしかないね。

okutankao

うんざりするわ。





ponkao
うさちゃん、平成32年(2020年)から、所得金額調整控除という新しい控除が
できる
んだって。
⇒平成 30 年分 所得税の改正のあらまし

okutankao

新しい控除ということは、これまでは存在しなかった控除が追加される
ということかな?

ponkao
そうだね。
所得金額調整控除の内容をみてみよう。


【A】
その年の給与等の収入金額が850万円を超える居住者で、

①特別障害者に該当するもの、または、
②年齢23歳未満の扶養親族を有するもの、もしくは
③特別障害者である同一生計配偶者、もしくは、扶養親族を有するもの
総所得金額を計算する場合には、

給与等の収入金額(その給与等の収入金額が1,000万円を超える場合には、1,000万円)から850万円を控除した金額の10%に相当する金額を、給与所得の金額から控除することとされました。


【B】
その年の給与所得控除後の給与等の金額、および
公的年金等にかかる雑所得の金額がある居住者で、

給与所得控除後の給与等の金額および公的年金等にかかる雑所得の金額の合計額が10万円を超えるものの総所得金額を計算する場合には、

給与所得控除後の給与等の金額(給与所得控除後の給与等の金額が10万円を超える場合には、10万円)および

公的年金等にかかる雑所得の金額(公的年金等にかかる雑所得の金額が10万円を超える場合には、10万円)の合計額から
10万円を控除した残額を、給与所得の金額から控除することとされました。

⇒平成 30 年分 所得税の改正のあらまし

okutankao

何がなんだか、全く分からん。


ponkao
そう慌てないで、ひとつずつ読み解いていこう。まず【A】だ。
所得金額調整控除は、給与等の収入金額から850万円を控除した金額の
10%に相当する金額
を、給与所得の金額から控除するものだよと書いてある。

okutankao

ふむふむ。


ponkao
その給与等の収入金額が1,000万円を超えている場合には、1,000万円から
850万円を控除した金額の10%に相当する金額が控除額となる。

okutankao

なるほど。
受けられる控除の額には、上限があるわけね。

ponkao
そしてこの所得金額調整控除が受けられるのは、以下の条件を満たした人の
総所得金額の計算をするときだ。


その年の給与等の収入金額が850万円を超える居住者で、

①特別障害者に該当するもの、または、
②年齢23歳未満の扶養親族を有するもの、もしくは
③特別障害者である同一生計配偶者、もしくは、扶養親族を有するもの
総所得金額を計算する場合


okutankao

【B】の方は、公的年金等に係る雑所得の金額がある人についての
表記みたいだね。

ponkao
【B】は所得金額調整控除として、給与所得控除後の給与等の金額および
公的年金等にかかる雑所得の金額合計額から10万円を控除した残額を、
給与所得の金額から控除するよという内容だ。

okutankao

ふむふむ。


ponkao
給与所得控除後の給与等の金額、公的年金等にかかる雑所得の金額、
どちらも、10万円を超える場合には、10万円がそれぞれ上限だよ。

okutankao

で、この控除を受けられるのは、以下のときに該当する場合なんだね。



その年の給与所得控除後の給与等の金額、および
公的年金等にかかる雑所得の金額がある居住者で、

給与所得控除後の給与等の金額 および
公的年金等にかかる雑所得の金額の合計額が10万円を超えるものの
総所得金額を計算する場合


ponkao
年末調整でこの所得金額調整控除を受ける人は、「所得金額調整控除申告書」を
提出する必要があるよ。

okutankao

所得金額調整控除申告書は、まだ公開されていないんだよね。
ああ、しかしどんどん複雑になっていくよね・・・




ponkao
うさちゃん、平成32年(2020年)から、基礎控除の額が変更になるんだって。
⇒平成 30 年分 所得税の改正のあらまし

okutankao

給与所得控除公的年金等の控除も変わるのに、
基礎控除も変わるの?

ponkao
その予定だよ。
基礎控除がどう変わるのか、見てみよう。


合計所得金額基礎控除(改正後)基礎控除(改正前)
2,400万円以下48万円38万円(所得制限なし)
2,400万円超2,450万円以下32万円38万円(所得制限なし)
2,450万円超2,500万円以下16万円38万円(所得制限なし)
2,500万円超なし38万円(所得制限なし)

okutankao

えーっ。
何だかとても変わるね。

ponkao
そうだね、まず一番大きな変化としては、合計所得金額に制限ができたことだ。
改正前(現在)は、所得制限はない。

okutankao
38万円の基礎控除は、誰でも必ず受けられるものだったのに・・・
改正後は、合計所得額が多い人は、控除額が減らされたり、
控除そのものを受けられなくなったりするんだね。

ponkao
その代わりに、合計所得金額が2,400万円以下の人の基礎控除が、
10万円引き上げられた
んだ。

okutankao

なるほど。確かに、改正前は38万円だった基礎控除額が、
48万円からはじまっているね。

ponkao
この改正に伴って、基礎控除を受けるためには、「給与所得者の基礎控除
申告書
」という書類を提出しなければならなくなったんだ。

okutankao

また新しい書類が増えるのか・・・
給与所得者の基礎控除申告書を見てみたいんだけど。

ponkao
残念だけど、まだ書式が公開されていないよ。
公開されるまで、もうちょっと待っていてね。

okutankao

はーい。


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