支払調書と源泉徴収票って、何が違うの?
色々異なる点があるんだよ。
◆目的と対象が異なる
目的と対象が違うって、どういうこと?
源泉徴収票は主に、給与を支払う会社が、給与をもらう社員に対して、
その年の給与の支払額と源泉徴収した所得税額を証明する書類として
発行しなければならないものだ。この発行は義務なんだね。
じゃあ、支払調書は?
支払調書は、特定の支払いをした会社が、その支払いについて明細を
記載して、税務署に提出する書類なんだ。
税務署に提出するの?
そう。個人事業主などへ所得税法第204条第1項の各号に規定されている
報酬や料金などを支払った場合に、税務署へ提出するんだ。
税務署への提出は義務なんだよ。
源泉徴収票の場合は、給与をもらった社員が受け取るんだよね。
支払調書の場合は、報酬をもらった個人事業主が受け取るんじゃないの?
個人事業主が企業に対して、支払調書の発行をお願いしてもいいし、
企業のほうから個人事業主に対して支払調書を発行してくれるところもあるよ。
でも、個人事業主に対して支払調書を発行する義務はないんだ。
なるほど・・・
◆確定申告に必要な源泉徴収票、必要のない支払調書
それから、確定申告に対する扱いも異なるんだ。
どういうこと?
源泉徴収票は、サラリーマンが確定申告をする場合には
必ず提出しなければならない書類だよね。
医療費控除とか、住宅ローン控除とかを受ける場合には、
源泉徴収票を添えて確定申告をするもんね。
でも個人事業主が確定申告をする時、支払調書の方は
提出しなくてもいいんだ。
じゃあはっきりいって、個人事業主は支払調書をもらう必要はないってこと?
手続きに必ず必要なものではないんだけど、支払調書とは?で説明した
ように、所得税の前払いを行ったことを証明してくれる書類になるんだよ。
なるほどね。
こう比べてみると、源泉徴収票と支払調書は随分違うものなんだね。