ねぇねぇ、ぱんだちゃん。
扶養控除等(異動)申告書を提出しなかったら、どうなっちゃうの?
うーん、損をしちゃうね。
えっ、どう損をしちゃうの?
扶養控除等(異動)申告書を提出しなかった人は、
扶養控除等(異動)申告書を提出した人よりも、
所得税を多く払うことになるんだ。
どうして?
会社が、社員のお給料から「源泉徴収」という形で
所得税を差し引いているのは覚えているかな?
⇒年末調整とは?
うん、覚えているよ。
働いている人、一人ひとりに直接所得税を納めてもらうと税務署がパンクしちゃうから、
会社が皆の代わりにお給料から税金を差し引いて納めるんだよね。
そうそう。
その源泉徴収には、種類があるんだよ。
源泉徴収税額表を見てみようか。
上の図は、月単位でお給料が出る人たち向けの「月額表」のヘッダー部分だ。
甲欄と乙欄があるよね。
うん。
何が違うの?
甲欄は、扶養控除等(異動)申告書を提出した人が
源泉徴収税額を求める時に使うんだ。
乙欄は、扶養控除等(異動)申告書を提出していない人が使う。
うん・・・
それで?
乙欄は、甲欄よりも納める所得税の額が高く設定されているんだよ。
えっ!
どうして?
扶養控除等(異動)申告書を提出していないということは、
別の会社で扶養控除等(異動)申告書を提出している、
いわゆるダブルワーカー、トリプリワーカーだとみなされるんだ。
掛け持ちだね。
乙欄は、「扶養控除等(異動)申告書を提出した本業の会社で、甲欄の所得がある」
という前提で、税額が設定されているんだ。
という前提で、税額が設定されているんだ。
扶養控除等(異動)申告書を提出した会社の所得、つまり甲欄の所得からは、
基礎控除や、扶養控除などが受けられるよね。
甲欄の所得税額は、これらの控除が加味された金額になっているんだ。
扶養控除等(異動)申告書を提出していない会社では、それらの控除が受けられない。
乙欄は控除を加味していない=高い税額になるんだよ。
甲欄の所得税額は、これらの控除が加味された金額になっているんだ。
扶養控除等(異動)申告書を提出していない会社では、それらの控除が受けられない。
乙欄は控除を加味していない=高い税額になるんだよ。
じゃあ、扶養控除等(異動)申告書を提出しなかったら、
仕事を掛け持ちしていなくても、高い所得税を毎月差し引かれちゃうってこと?
払う必要もないのに、高い税金を払わなくちゃいけないってこと?
そうそう。
えー!!
あ、でも、会社が年末調整をしてくれるんじゃない?
年末調整は、源泉徴収された税額や各種控除を踏まえて、
所得税額を再計算してくれるものでしょ?
年末調整してもらえば、払いすぎた所得税も戻ってくるんじゃないの?
扶養控除等(異動)申告書を提出していない場合、
会社で年末調整もやってもらえないんだ。
年末調整の対象者じゃないとみなされちゃうんだよ。⇒年末調整の対象者
えぇーっ!?そうなの?
じゃあ、余分に支払った所得税はもう戻ってこないの?
払い損なの?
大丈夫。
確定申告をすれば、ちゃんと戻ってくるよ。
そうなんだ、よかった。
扶養控除等(異動)申告書は、提出し忘れないようにした方がお得なんだねぇ。